想像術
松浦弥太郎さんの「考え方のコツ」朝日文庫 第二章 想像術から
松浦さんは"想像力"を
どのような仕事に就いていても、常に研ぎ澄ませて
おかなければならい事と著書に書いています。
思考を重ね、色々なアイデアを生み出しても、それだけでは
仕事になりません。
思いつきの先にあるものは、何かを考え、行動に移していく。
このプロセスに欠かせないのが"想像力"です。
「このアイデアを形にして実行したらどうなるだろう?」と、
先々まで想像してみましょう。
思考の果てに生み出したアイデアは、まだ試していない
「経験されていないこと」です。
結果がどうなるか、その答えは「知らないこと」のなかにあります。
想像というと抽象的に感じるかも知れませんが、先々を見通そうと
するのであれば、かなり具体的なことに向き合わざるを得なくなります。
成功イメージのシミュレーションは当然大事ですが、同時に最悪の失敗の
シミュレーションも厳しくやっておきたいものです。
最高の成功も、最悪の失敗も、常に考えておくのが仕事の鉄則。
知識があると「もうわかっている」と勘違いし、"想像力"を働かせません。
知っていることの中に答えを見つけるのではなく、"想像力"を働かせて、
知らないことの中で答えを生み出しましょう。
"想像力"を働かせるために、なによりも必要なのは好奇心です。
いろいろなことに好奇心を持ちながら、「なぜ、なに、なんだろう」
と子供のように目を輝かせていれば、"想像力"は自然と養われます。
全ての物事は変化しています。永遠に同じ状態にとどまっているもの
ではありません。状況だけなく変化を観察し、自分の"想像力"を
育てていけば、常に先手を打てるようになります。
後手後手にならない準備ができます。
準備こそが仕事の基本であり、成否を決めるものですから、
観察と想像は日々の習慣に組み込んでおくべき基本と言えるでしょう。
実際の現場では、"想像力"が足りていない発言・行動を見聞きします。
・仕事の範囲の線引き(=自分が出来る仕事以外は想像しない)
・仕事のタスキを引き受けない(=自分がした仕事以外は想像しない)
・全てのデータが揃わないと分からない(=想像しない)
・上手く行かないと、元に戻る(=想像につまづくと、元に戻る)
・経験したことしか考えられない(=想像を避ける)
・変えることを想像できない(=だから変えない/変えなられない)
・想像できないことをあれこれ言い訳をし、何も進まない
・でも都合の良い想像(解釈)や楽な方の想像(仕事)には飛びつく
松浦さんは同じ著書の中で、こうも述べています。
・目の前のことにしっかり向き合う
・自分の都合でなく、自分が相手の立場だったらどうすべきか仮想して行動する
結果のコントロール
以前読んだ本より。
いい結果というものは、本気でぶつかったことの
"おまけ"みたいなものです。
結果は自分でコントロール出来ません。
今の自分を出し切ることだけが、
コントロール出来る唯一の行為なのでしょう。
We can't win. But you can try.
アメリカのジャズ界で最高の栄誉である「ジャズ・マスター賞」を受賞し、
80歳を超え、未だに現役のジャズピアニスト 秋吉敏子さんの特集番組を見ました。
彼女の代表作に"Long Yellow Road!!"という曲があります。
アメリカの地でジャズ界では認められていない "日本人である彼女"(="Yellow")が
ジャズミュージシャンとして生きてきた苦しい道のりを表現した曲です。
"We can't win. But you can try."
秋吉さんの好きなアメリカの格言です。
直訳すると、「勝つことは出来ないかもしれない。でもトライすることは出来る。」
何に勝つか?・・・ 人に? 敵に?
自分が目指す理想に勝てるか?という意味合いでしょう。
理想には、簡単に到達できなくとも、努力することはできる。常に前進、それが人生。
そしてもう一つアメリカでの秋吉さんが耳にした言葉。
"Be kind to yourself."
秋吉さんは、自分の可能性に対して、優しくありなさいという意味で捉えていました。
一生懸命やらねば自分の可能性はわからない。
それをするのが自分に対する義務であリ親切であると。
Wishful Thinking !! (番組の中での秋吉さんの言葉です)