目の誕生
英国の研究者アンドリュー・パーカーは、著書「眼の誕生」の中で、
カンブリア紀における生物の急激な進化(=カンブリア紀の爆発)は、
生物が「本格的な眼」を持つようになり、太陽光線を視覚信号として
本格的に利用し始めたことにあると指摘しました。
教科書でもおなじみの三葉虫が、眼をそなえた最初の動物であり、
能動的な旺盛な捕食が始まります。
それまでは闇の中での受動的な非効率な捕食のみでした。
眼の出現とともに、動物の外観が突如とし重要となり、他の動物への淘汰圧とります。
三葉虫から身を守る為の装甲用の硬組織を身に着けるもの、カモフラージュにより
見えにくくするものも。被捕食者による眼の獲得レースも開始します。
「見えない世界」から「見える世界」へ変わり、世界は一変します。
すべての動物は避ける事のできない光に対し適応しなくてはならなくなりました。
視覚の出現、すなわち最初の開眼は、生物の生き方にとって、とりわけ
動物の外部形態に関して、著しい変化を引き起こしました。
先カンブリア紀に日光が増大したことが確認されており、これにより眼が
出現したと考えられています。
カンブリア紀の爆発の原因を説明する「光スイッチ」説です。
光の増大(=環境変化) → 眼の出現(=環境適用) → カンブリア紀の爆発(=進化 & 淘汰)
環境変化に気づく眼をもたない組織は、時代の変革の中で淘汰されます。
どの組織でも変革に対する最大の敵は、変化を受け入れたくない内部にあります。
持続的な成長を続けるためには、自己変革ができる「眼」を持つことが必要です。
新年度が始まりました。
今年度も「変わる年」です。