TGIM blog

Thank God, It's Monday ! 今週も仕事に取り組めることを感謝し(誰に?からは皆さん次第) そして、週スタートの節目を感じる為に、 週の初め月曜日に皆さんにメッセージを送る事とします。 (出張及びネタ切れでスキップあり)

腹決め

読書の秋なので、本ネタから。

出張中の飛行機で「知性を磨く」田坂広志著(光文社新書)という本を読みました。

 

なぜ、高学歴の人物が、深い知性を感じさせないのか?

頭の良い人ほど、プロフェッショナルになれない理由。

なぜ、優れたプロフェッショナルは、「想像力」が豊かなのか?

 

著者曰く、

「知能」とは、

「答えの有る問い」に対して、早く正しい答えを見出す能力。

一方、「知性」とは、

「答えの無い問い」に対して、その問いを問い続ける能力。

「知性」とは、容易に答えの見つからない問いに対して、決して諦めず、

その問いを問い続ける能力のこと。

ときに、生涯を掛けて問うても、答えなど得られないと分かっていて、

それでも、その問いを問い続ける能力のこと。

 

私たちの仕事にも、本当の答えはありません。

環境は日々変化しています。正しいと思った事が、間違いと気づく事も。

そもそも、答えを解く前に、問題(=課題)を見つける事自体が難しいです。

問題を見つける事を怠ることも。

 

高校までの勉強と大きな違いはここです。

高校では、与えられた問題を如何に解くのかを学びます。

会社に入ってからは、問題を見つけ出す事が求められます。

与えられた問題を解決するだけでは、リーダーにはなれません。

組織、社会を変革する事も出来ません。

(因みに、大学も本来は、自ら問題を見つけ、それを研究する場です。)

 

但し、答えがないからと言って、闇雲に時間を掛けることも許されません。

そこで、二つの対処がでます。

 

一つは「割り切り」。「知能」は、それを行います。

一件、スマートに物事を捌いているように見えますが、判断の奥にある、心の姿勢が

実は問題。=「楽になりたい」

文芸評論家・亀井勝一郎さんが語った言葉:「割り切りとは、魂の弱さである」

精神が「楽になる」ことを求め、「割り切り」に流されていくと、深く考えることが

できなくなり、「答えの無い問い」を問う力、「知性」の力が衰えていく。

 

もう一つの対処は「腹決め」

「これで行くしかないか・・・」と、腹も定まらず、受動的に意思決定するのではなく、

「これで行こう!」と、腹を定め、能動的に意思決定することである。

 

「割り切り」と「腹決め」の違いは。

前者の「割り切り」の心の姿勢は、心が楽になっている。

しかし、後者の「腹決め」の心の姿勢は、心が楽になっていない。

 

覚悟を持って「腹決め」をし、最後まで正解だったか分からない決断に対しても、

自分の責任として取り組む。                           

これが、プロに求められる姿勢と資質なのでしょう。